スポンサーサイト
一定期間更新がないため広告を表示しています
ル・ティシェ:なんだ、ひとりなのか。
イズベルガ:遺憾ですが。
ル・ティシェ:どうした。
イズベルガ:お母さんは、あいつといますから。顔も見たくないので。
ル・ティシェ:……そうか。
イズベルガ:…………。
ル・ティシェ:…………。
イズベルガ:……お母さんは、あの男を愛していました。
ル・ティシェ:…………。
イズベルガ:自分の今際の際に間に合わない男でも、お母さんは、あの男を愛していました。それは、事実です。
ル・ティシェ:…………。
イズベルガ:私はあの男を許せない。未来永劫、許さない。……そんな私が、2人の前に立つ事はお母さんを困らせます。だから、会いません。ここにいます。
ル・ティシェ:……わかった。
イズベルガ:……姉さん。私は元気でやってる、と伝えて下さい。
…………。
…………。
…………。
ル・ティシェ:お初にお目にかかります。イズベルガのお父様とお母様ですね。
イステル:はい。
ウィルバルト:あなたには娘がお世話になりました。
ル・ティシェ:何もしていませんよ。
イステル:あの、イズは……?
ル・ティシェ:ここには来ません。
ウィルバルト:…………。
ル・ティシェ:あなたの顔を見たくない、そうです。
ウィルバルト:はい。
ル・ティシェ:そして、そんな自分がこの場に来れば、お母様を困らせる、と。
イステル:イズ……。
ル・ティシェ:……それでは私はまだ回らなくてはいけないので、失礼します。
ウィルバルト:わかりました。
イステル:お気をつけて。
ル・ティシェ:そうだ。忘れるところでした。私は元気でやっている――伝言を頼まれていたのでした。
ウィルバルト:…………。
イステル:…………。
ル・ティシェ:誰に伝えてくれ、とは指定されませんでしたので、これはお2人への伝言かと思います。
…………。
…………。
…………。
レードゥル:……ここでいいんですか。
リーゼル:その問いは、そっくりそのまま返させてもらうけど。
レードゥル:……俺は、ここでいいです。
リーゼル:なら、私もここでいいわ。
レードゥル:…………。
リーゼル:……しかし、あいつ強いわね。
レードゥル:兄貴、ですか。
リーゼル:ええ。……ちょっとの経験の差以外、もう負けてるところはない、なんて思ったから、あいつの元から飛び出したのに。
レードゥル:…………。
リーゼル:思い上がりだった、って事ね。私と黒狼が歯の立たなかったあのバケモノを一撃ですものね。
レードゥル:…………。
リーゼル:しかし、驚いたわ。まさかあいつが来るなんて。あなたは、来ても全然おかしくなかったのだけど。
レードゥル:俺も驚きました。
リーゼル:それがお前の選んだ道なら、俺はお前の選択を尊重するだけだ、なーんてのがあいつの十八番だったのにね。
レードゥル:…………。
リーゼル:まあ、いいわ。あいつが息せき切って駆けてきて、そして、あいつの腕の中で消える事が出来たんだから。
私の人生、きっと上々だったわね。
今後はなろうで。
この記事に対するコメント