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パッつぁん!
インスマウス:……それは、俺のことかい?
祥子:パッつぁん、無事だったんですか……?
インスマウス:……いや、俺は「パッつぁん」という名前じゃない。魚違いだ。
祥子:え……でも!
インスマウス:インスマウスの見分けなんて、同族でもなけりゃ出来っこないさ。
祥子:…………。
インスマウス:……あんた、名前は?
祥子:祥子、です。
インスマウス:ああ、名前をもらったんだな。いい名前だ。
祥子:……はい。
インスマウス:さて、俺はライフセイバーの仕事中なんだ。集中してないといけないんでね。もう行ってくれるかい。
…………。
…………。
…………。
イズベルガ:こんな季節に、海に入るバカがいるのですか。
インスマウス:…………。
イズベルガ:それとも、またクラゲを食べたくなりましたか。
カンパチ:……クラゲなんて、もうたくさんですよ。
イズベルガ:いいのですか。
カンパチ:……施設からはなんとか逃げ出したんですが、海に飛び込んで、そこで死にました。仲間が葬ってくれましたよ。
イズベルガ:名乗らねば生死不明のまま、ですか。しかし、それも酷と言えば酷ですよ。
カンパチ:どうすればいいのか、実はよくわからんのです。
イズベルガ:全く。
カンパチ:……姐さん。皆を、ありがとうございました。
イズベルガ:あなたの事は、折を見て伝えましょうよ。
カンパチ:お願いします。
イズベルガ:行きます。元気でいなさい。
カンパチ:はい。姐さんも、どうぞお元気で。
…………。
…………。
…………。
アプフェル:やはり「心」は素晴らしい。美しい、この上もなく美しい「心」たちだ。
ル・ティシェ:まだ言うか。
アプフェル:言うとも。余は「人」が、「心」が、大好きだからな。
ル・ティシェ:チッ。
アプフェル:だが、もう「人」の姿を無闇に与えるのはよす。
ル・ティシェ:……ほう。
アプフェル:切ない「心」の機微は、とても美しい。しかし、余まで切ない気持ちになるのは、嫌なのだよ。
……勝手をほざく。
今後はなろうで。
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