ECO家の一族 クローバーワールドの片隅に生きる、とある一族のお話。
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<< 時は流れる | main | - 2017.08.28 Monday 20:17 >>

人も流れる

サン・スーシ館――


ラグンヒル:神子様。ラグンヒル・フォス、「黄金領」より帰参いたしました。

ヒルデ:ご苦労さま。自警団には顔を出しましたか?


ラグンヒル:はい。


ヒルデ:では、聞きましたね。


ラグンヒル:副団長との交代の件ですね。


ヒルデ:ええ。手間を取らせますが、頼みますよ。


ラグンヒル:承知いたしました。









ヒルデ:……向こうでユスティには会いましたか?


ラグンヒル:はい。聖翁様の下で、静かに祈りの日々を過ごされています。


ヒルデ:そうですか。落ち着いているのなら、よかった。


ラグンヒル:…………。


ヒルデ:詳しい話は杯を傾けながら聞きましょうか。


ラグンヒル:はい。








ヒルデ:ラハテンマキ。グラスを。












…………。


…………。


…………。












ノイエ・ゼダン通り――


ウェルナーグ:あっ、神子様!


ヒルデ:どうしました、子供。


ウェルナーグ:神子様、ミンネゼンガーが来ているんです! 「乾杯王の広場」で『ロマンティック・ライゼ』をやるんですよ! お知らせしようと思って、「海の見える丘」に向かっていたんですが、ちょうど神子様がいらっしゃったので。


ヒルデ:よく知らせてくれました。帰ります。


ウェルナーグ:ええっ!?


ヒルデ:興味ありませんね。


ウェルナーグ:そんな……!








ヒルデ:ヒルデ・ノヴァリスが一切登場しないのなら聞いてみたいですけどね。


ウェルナーグ:それは、無理ですよ……。『ロマンティック・ライゼ』が成立しなくなります!


ヒルデ:……どうでしょうね。とにかく、私は行きませんよ。


ウェルナーグ:…………。


ヒルデ:そら、楽器の音色が聞こえてきましたよ。行きなさい。私は帰りますから。








ウェルナーグ:は、はい……。













ヒルデ:……この声は。まさか。
























ラクウェル!













シリュー殿!







シリュー:これは、お嬢さん。お久しぶりです。


ヒルデ:ええ。いつ、ブールカルトに?


シリュー:今日です。今日の興行が終わったら、ごあいさつに伺おうと思っていたんですが。


ラクウェル:…………。


ヒルデ:どうしたのです、ラクウェル?








ラクウェル:ヒルデ。ハゲた、と聞いていたのですが、もう生えたのですか?


シリュー:ラ、ラクウェル嬢!


ヒルデ:フ、フフフ、ウフフフフ。まだ生えてはいませんよ。ハゲてもいませんが。








ほら!


シリュー:かつら、ですか。


ヒルデ:ええ。献じてくれた者がいましてね。せっかくだから使わせてもらっているのです。


ラクウェル:ハゲてるじゃないですか。


ヒルデ:ハゲてはいません。これは、坊主頭というのです。


ラクウェル:ハゲでしょう。








ヒルデ:だから、ハゲではありません。ハゲと坊主頭の間には、天と地ぐらいの違いがありますよ。もう、私の髪の話はいいですから、早く興行を始めなさい。













































…………。


…………。


…………。












「黄金領」――





























 残され星のものがたり 最終話 「人も流れる」 終

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