ECO家の一族 クローバーワールドの片隅に生きる、とある一族のお話。
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ツラを見てやりましょう

サン・スーシ館――


ユスティ:お嬢様……。

ヒルデ:なんですか。浮かない顔。


ユスティ:お客様です。


ヒルデ:ふむ。


ユスティ:…………。


ヒルデ:あまりいい相手ではなさそうですね。


ユスティ:あ、いえ、そのような事は。








ヒルデ:門前払いする権利のあるあなたが、敢えて取り次いできた――という事は、配慮が必要な相手、という事でしょうね。


ユスティ:…………。


ヒルデ:しかし、すぐに通しはしなかった――という事は、私がいい顔をしない相手、という事でもあるのでしょう。


ユスティ:…………。


ヒルデ:さあ、誰でしょうね。そんな相手ですから、待たせても全く構わないでしょう。少し考えてみますよ。


ユスティ:は、はい。








ヒルデ:今、この街であなたが取り次がねばならぬ、と考える程の相手が、さて、いましたかね。


ユスティ:…………。


ヒルデ:……ああ。


ユスティ:お嬢様……?


ヒルデ:いましたね。どちらですか。


ユスティ:どちら、とは……?


ヒルデ:男のほうか。女のほうか。女のほうの使いなら追い返しなさい。


ユスティ:男のほうでしたら、お通ししてもよろしいですか?








ヒルデ:……いえ、ツラを見てやりましょう。


ユスティ:…………。


ヒルデ:相手がノヴァリス家の、たとえ家令であっても、ヒルデ・ノヴァリスの家令のあなたが「お通し」などと言う必要はないのですよ。それはあなたもわかっているでしょう。


ユスティ:…………。


ヒルデ:しかし、あなたは敢えてそう言った――ああ、もう、まさかとは思いますが、本人が来ているのですか!?








ユスティ:はい。メルヒオール・ノヴァリス様がお越しです。







 残され星のものがたり 第186話 「ツラを見てやりましょう」 終







「次回は5月8日(月)に更新予定です。

 またお目にかかりましょう。ごきげんよう」

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