ECO家の一族 クローバーワールドの片隅に生きる、とある一族のお話。
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...Jetzt Zeit

ブールカルト候の居館――


ヒルデ:――そんな手紙、まだお持ちだったのですか。

ブールカルト候:お持ちだったさ。これだけではない。お前からの手紙は全て保存してある。


ヒルデ:邪魔になりませんか。


レードゥル:おい、ヒルデ……。


ブールカルト候:お前も人の親や、それに類する者になってみればわかるだろう。


ヒルデ:予定はありません。








ブールカルト候:フフ。――レードゥル殿。あの時の手紙は、私にとっても特別でね。


レードゥル:ほう。


ブールカルト候:「親愛なるエーリヒ伯父」というのは、いつも通りの書き出しだが、結びに「あなたのヒルデ」と、こう書いてあってな。


ヒルデ:!


ブールカルト候:懸命だったのであろうな。


レードゥル:お前が、そのような娘らしい事を、な。


ヒルデ:記憶にありません。伯父様、見せてください。私はそのような事は書いていないと思います。


ブールカルト候:いいとも。








レードゥル:あ、お待ちを。渡したが最後、持ち逃げをされます。


ブールカルト候:おお。それはいかん。私の宝物だからな。


ヒルデ:持ち逃げなんかしません。伯父様、私と、先生と、どちらを信じるのですか。


ブールカルト候:六年間、お前を親身に指導してくださった方だからな。お前の為人は完全に把握されておられるだろう。


ヒルデ:先生。私が持ち逃げなどという卑怯なまねをするとでも?


レードゥル:持ち逃げをしないなら、この場で燃やすだろう。


ヒルデ:!


ブールカルト候:フフフ。お前も形無しだな。








ヒルデ:……ああ、レードゥル師。パレ・リーゼルではあんなに私のために力を尽くしてくださったのに。時が経つとは、こういう事なのですね。

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