ECO家の一族 クローバーワールドの片隅に生きる、とある一族のお話。
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Vor 10 Jahren X

 ファンルースはその日のうちにリントヴルムを発した。

 イステルからの援助を惜しみなくつぎ込んだ彼は、通常なら二ヶ月以上かかる道程を一ヶ月足らずで駆け抜けたのであった。







ブールカルト 南門――


ファンルース:御門番。


門番:む……?


ファンルース:リントヴルムから参りました。選帝侯の姪御ヒルデ・ノヴァリス様からの使者でございます。


門番:ノヴァリス嬢の……!?


ファンルース:これにヒルデ様の紹介状を。


門番:――これは選帝侯宛であるな。では、私が中を改めるわけにはいかぬ。そなたの名は?


ファンルース:ウォルフラム・ファンルースと申します。


門番:では、参られよ。ファンルース殿。








ファンルース:は。












…………。


…………。


…………。












ブールカルト候の居館――


ブールカルト候:ファンルース君、といったな。確かにヒルデの手跡だ。ヒルデは元気かね?


ファンルース:は。ご壮健にあられます。


ブールカルト候:うむ。して、ヒルデは私になんと?


ファンルース:こちらに、お手紙をお預かりしております。


ブールカルト候:どれ――。


ファンルース:…………。


ブールカルト候:…………。


ファンルース:…………。








ブールカルト候:よろしい。ノヴァリスの事は私に任せてもらおう。


ファンルース:では、早速に立ち戻りまして、ヒルデ様にご報告を。


ブールカルト候:まあ、待て。ヒルデの手紙の日付からすると、ファンルース君は一月足らずでこちらにやって来たのだろう。少し静養していきたまえ。








ファンルース:ありがとうございます。ですが、ヒルデ様が私の帰りをお待ちです。


ブールカルト候:そうか。そういう事なら、あまり引き止めるわけにもいかんな。


ファンルース:お心遣いに感謝いたします。


ブールカルト候:では、私があの子への手紙を書く間だけ待ってくれんかね。


ファンルース:はい。








ブールカルト候:あの子への心ばかりの品も整えたい。部屋を用意させよう。くつろいでいてくれ。

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