ECO家の一族 クローバーワールドの片隅に生きる、とある一族のお話。
<< August 2017 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
<< Vor 10 Jahren VIII | main | Vor 10 Jahren X >>

Vor 10 Jahren IX

リントヴルム ファーライ邸――


ファンルース:ふむ。

イステル:ルース、どうすればいいかしら。


ヒルデ:ファンルース様……。


ファンルース:……ブールカルト候エーリヒは夫人との間に子がなく、妹君の子を溺愛している、と聞いています。それはあなたの事、でよろしいか?


ヒルデ:はい。伯父様に他に姪はいません。


ファンルース:イステル。


イステル:ええ。


ファンルース:路銀を、恵んでくれるか。レードゥルが追い返したという一行よりも先にブールカルトに入りたい。








イステル:行ってくれるの……?


ファンルース:ああ。それからノヴァリス嬢。


ヒルデ:はい。


ファンルース:書状を二通、書いていただきたい。一通は今回の顛末をブールカルト候に知らせ、善処を要請するもの。


ヒルデ:はい。


ファンルース:そして、もう一通は俺をブールカルト候に紹介するもの。こちらは確実にあなたが書いたとわかる「証」と共に。


ヒルデ:「証」……?


ファンルース:一介の冒険家が選帝侯に面会など。門前払いを食らうに決まっています。








ヒルデ:わかりました。












…………。


…………。


…………。













イステル:うまくいくかしら……。


ファンルース:いく、と思うが。


イステル:そういえば、さっきの話は本当なの?


ファンルース:ん?


イステル:ブールカルト候がヒルデを溺愛している、っていうのは。








ファンルース:ブールカルトでは有名な話だ。








ヒルデ:書き上がりました。


ファンルース:確かに。あとは「証」ですが。


ヒルデ:この手紙が「証」になります。


ファンルース:それは?








ヒルデ:私の手習いを見てくださったのは伯父様です。伯父様は必ず私の手跡をおわかりになります。

残され星のものがたり | permalink | - | - |

スポンサーサイト

- | permalink | - | - |